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知立神社の神楽

愛知県知立市知立神社では、毎月弘法山の日に神楽囃子の奉納が行われます。保存会のメンバーが活躍します。

 立派な神楽殿です。
 知立市HPによれば、知立神社は、「池鯉鮒大明神と呼ばれ、江戸時代東海道三社の一つに加えられた名社で、社伝では第12代景行天皇(412)創建と言われています。」とのこと。
 この景行天皇が、熱田神宮に行幸した折り、神楽を奉納したのが始まりとされるようです。
 この神楽は、宮流と呼ばれ、熱田神宮で奉納されてきました。それが、知立に伝えられたということです。

 2年に1度の本祭りには、5台の山車が集まります。山車の上で文楽やからくりが上演されます。

 毎年7月には、「茅の輪くぐり」が行われます。

 囃子は、長い欅長胴太鼓と締め太鼓、笛です。1人で、大太鼓と締太鼓を叩くのが特徴です。打数が多く、軽快な打ち込みとなっています。二重打ちするところも多く、手の動きはなかなか複雑です。太鼓桴で締太鼓を打ちますので、桴先が丸くしてあります。そのため、締太鼓は、バシッと独特な音で鳴ります。
 吉田の者が知立へ習いに行ったという言い伝えがあるのですが、ここの神楽ではありませんでした。

 景行天皇時代だとすれば、もともとは倭笛を使用したのでしょうか。
 宮流用の神楽笛は、龍笛、古典調篠笛とは音律が異なります。唄用と一致するところはありますが、唄用ではありません。7穴で、調子は、11または12本調子に相当します。神楽にしてはとても高い音で、遠くまで良く聞こえます。0の運指が使用されませんので、一番初めに使用された笛は6穴であった可能性があります。尚、4の運指は6穴式ではなく7穴式です。
 演奏は、装飾音が多用され、きらびやかな演奏となっています。

舞い(動画)  (mpeg4 コーデック入手先
【曲:御神前】
 例年、舞いは1月1日と5月3日、7月、9月に行われます。
 舞いは、2人1組で行います。2人が横並びになるのが特徴です。採り物は扇子、鈴、御幣の3種類です。
 待機している舞子が、お祓いを行います。すごいことですね。これでは、舞子ではなく巫女です。知立や豊田の方面では、舞子さんがお祓いするところがあるようです。
 舞子に、浄化の神通力を伝授されているということですので、とても重要な意味を持つと考えられます。ここの舞子さんの衣装は、他地区と違い、白の装束で、浦安の舞いに近いです。同じような舞いでも、神楽の位置づけが全く違いますね。

【曲:神迎え】
 神楽の開始時には「神迎え」が1回だけ演奏されます。お祓いの意味で「御幣の舞」が舞われることもります。
 舞いは13種類あります。
 囃子方は、白衣に袴を着用して囃子を行います。

宮流神楽笛
 A=440Hz、一がE5です。音の配置がちょっと特殊です。1オクターブの間に0から6までの音を配置しています。西洋音階式に言えば、基音を5とするB管に近いです。なんと、宮流神楽曲はBの曲が多いのです。

宮流笛楽譜の版
 宮流神楽の笛楽譜には、半田市亀崎の間瀬昇氏版(昭和44年)、大府市北崎の中川三十昭氏版(昭和53年)、愛知郡日進町の幸村元一氏版(昭和56年)の3種類あり、現在知立では、間瀬版と幸村版が存在する。笛の師匠格が間瀬版を使用しており、主に間瀬版が演奏されている。間瀬氏と幸村氏は、同じ師に指導を受けているが、曲中異なる部分が多々ある。また、曲名も異なるものがある。
 亀崎版には19曲、幸村版には20曲が収録されている。幸村版の序に、
「対座し口伝、指伝されしも年と共に神楽人口僅少となるを憂い、半田市亀崎にては、間瀬昇氏が4音より13音に及ぶ譜を作り大府市北崎にては、長谷川佐一氏の笛を音楽教師中川三十昭先生が五線符に作製され、難解のため篠笛用の譜音符を利用して厳密には音階の相違あれど幸村元一氏にお願いして本書を作成、幸村氏に深く敬意と感謝の意を表すと共に、文化伝承の一助となることを期待するものであります。」
とあり、この通りの結果となっている。

 間瀬版、中川版、幸村版の3版は現存しており、間瀬版は亀崎にて、幸村版は知立にて使用されている。中川版は、残念ながら使用されていない模様である。中川版は、祭りの衰退を憂い、文化伝承のためリコーダ用に採譜されたものである。笛の演奏のみから採譜したと考えられ、リズムの取り方に問題があるが、大府式の演奏スタイルを知ることができ、貴重な資料といえる。
 収録曲一覧表は、こちら。

MIDIによる宮流神楽音楽
知立神社 宮流神楽音楽    YAMAHA の midi 音源が必要です。
1神明(亀崎版)楽譜 音が細かく、聞き取るのに大変な作業となり、予想外に時間が掛かりました。導入部とコーダが付いています。開始のリーダーは笛が行います。B調です。
 曲の部分は、8小節で1クサリになるよう作られています。裏拍の曲ですので、締太鼓のテコが目立って聞こえます。この太鼓演奏は熟練者によるものです。演奏者により叩き方が随分変わります。
2御神前(幸村版)  知立の神楽で一番良く演奏される曲です。楽譜から、笛のみ起こしたものです。太鼓がないと、分かり難いですね。
  
4花かがり楽譜 基本の打法が聞けます。ドンツク・ツッ天・ツッ天・天ツク・ツッ天・ツッ天・天ツク・ドンツクの8拍が基本のようです。
 これと宮流7は、同じf#調です。
  
  
7津島返し  基本の打法を応用したものが聞けます。この曲は、1フレーズが8拍にならないところが3カ所あります。
MIDIによる中川版(大府市北崎)
大府市北崎 宮流神楽 中川版
花かがり楽譜 大府市北崎に伝わる神楽囃子・祭り囃子を中川氏がソプラノ・リコーダー用に保存し直したものです。音域からすると、ちょっと小学生向きではありませんが、記録として大変価値があります。リコーダーに合わせ、音が3度下げてあります。知立で演奏されている曲と少し違っています。
津島さがり楽譜 幸村版の「津島返し」と思われます。おそらく、太鼓無しで採譜したため、リズムが正確に把握できなかったと思われます。
津島さがり(復元版)  もとの曲を復元してみました。こんな風に近かったのではないでしょうか。ご存じの方は教えて下さい。
岡崎楽譜 この曲もリズムが正確に取れていないため、分かり難くなっています。また、宮流専用の笛を使用していたことが、楽譜から分かります。